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水遊び

・神帝、アローエンジェル







「あっついな~…」

ジリジリと照らしつける太陽の下、神帝男ジャックが呟いた。
それを聞いたヤマト神帝がムッとして振り返る。

「暑いって言うなよ。余計暑くなるだろ」
「暑いもんは暑いんだから、仕方ないだろ」

うるさそうに言いながら、男ジャックは上着の前を開けて風が入るようにパタパタと扇いだ。

「水浴びでもしたい気分だぜ」
「あ!湖がある!」
「え!どこどこ!?」

アリババ神帝の指差す方向に、ヤマトと男ジャックは我先にと身を乗り出す。

「こりゃいいや!ねえヘッドロココ様、少しあそこで涼んで行きましょう?」
「そうですね。皆さんもさすがに疲れたでしょうし」

男ジャックの提案に、ヘッドロココは頷いた。

「いやっほーう!」
「一番乗りだぜー!」

喜び勇んで走りながら服を脱ぎ捨て下着一枚になると、男ジャックとヤマトは湖に飛び込んだ。

「やーの!下品ですの!」
「元気なヤツらだなぁ…でも俺も!」

両手で顔を覆うアローエンジェルを余所に、アリババも同様に湖へと飛び込んだ。

「気持ちいいー!」
「お前らも来いよー!」
「ズルいですのー!わたしだって入りたいですの!」

手を振る三人に、アローエンジェルが岸辺で羨ましがる姿を、他の皆は顔を見合わせて微笑んだ。

「キミも入ればいいじゃない」
「ヤマト神帝さんったら意地悪ですの!」
「今更誰も気にしないって!」
「そうそう!」
「まー!失礼ですの!」

アハハと笑う三人に、アローエンジェルは顔を真っ赤にしてプイとそっぽを向いた。

「俺も入ろっと!」

一本釣神帝が豪快に湖に飛び込むと、水しぶきが上がりアローエンジェルに降り注いだ。

「一本釣神帝さん!」
「あ、ゴメンゴメン」
「そんだけズブ濡れならもう関係ないじゃん」
「そのまま入っちゃえよ」
「もー!皆さん意地が悪いですの!」
「大丈夫ですか?」

牛若神帝からハンカチを受け取ると、アローエンジェルは湖の中を恨めしそうに見ながら、身体に掛かった水滴を拭き取った。

「キミ達は入らないのー?」

ヤマト神帝の問いに、その様子を眺めていた神帝フッドと神帝ピーターが顔を見合わせる。

「どうする?」
「いや、私は遠慮しておこう」
「足だけ浸かるのも、気持ちの良いものですよ」

そう言いながら、牛若が岸辺に座って素足を水に浸けるのを見て、フッドとピーターもそれならばと岸辺に腰掛けた。

「きゃーの!私もそうしますの!」

アローエンジェルはブーツを脱ぎ捨てると、牛若の隣に座った。

「冷たくて気持ちが良いですのー!牛若神帝さん、ありがとうございますの」

ニッコリ微笑んでハンカチを返すと、機嫌の直ったアローエンジェルは満足そうに足をバタつかせて楽しんだ。

「皆さん楽しそうですね」
「ええ、たまには息抜きも必要です」

水辺から離れた所に座ったヘッドロココと神光子は、湖ではしゃぐ皆を見ながらくつろいでいた。

「お前さ、前から気になってたんだけど、その頭どうなってんだ?」
「え?僕?」
「あ、俺も気になってた!」

ヤマトの頭を指差す男ジャックに、アリババも頷く。

「それ、取ったらどうなんだよ」
「どうって、別に普通だけど?」
「ちょっと取って見せてみろよ」

一本釣にまで言われ、ヤマトは嫌そうな顔を見せて頭を押さえた。

「やだよ!別に見たって何も面白い事なんてないんだからな!」
「ちょっと見てみたいだけなんだから、いいじゃないか」
「そうだよ、ケチケチすんなよ」
「ケチって!そういう問題じゃ…」
「俺たちでほどいちまおうぜ」
「わっ!ちょっと!やめろ!やめろって!」

暴れるヤマトを押さえて、三人は面白がって丁寧に結われた美豆羅をほどいた。
ハラッと長い髪が落ちたヤマトを見て、三人はほぉ~っと感心したように溜息を吐いた後、ゲラゲラと笑い出す。

「なんだよその頭!」
「いやいや、そっちの方がいいんじゃないか?」
「そうしてると誰だか分からないな!」
「もう!どうしてくれるんだよ!直すの大変なんだぞ!」

憤慨するヤマトに、三人は腹を抱えて笑い続ける。

「面倒なら、そのままにしとけばいいじゃん。似合ってるぜ」
「このぉ!」

怒ったヤマトに水しぶきを掛けられ、三人は目を丸くした。

「やったな!」
「お返しだ!」

水掛け合戦が始まるのを、牛若達は苦笑しながら眺めた。

「本当に元気ですね」
「まるで子供みたいだな」
「でも、ああやって見ると、ヤマト神帝は随分印象が違うな」
「かっこいいですのー!」

アローエンジェルの言葉に、三人は彼女を見て顔を見合わせた。

「アローエンジェルのセンスはよく分からないなぁ」
「何か言いましたの?」
「い、いや…そういや牛若も髪を下ろしたら、ああいう風になるの?」

アローエンジェルに一瞥され、ピーターは慌てて牛若神帝の頭を見やった。

「そうですね。私の場合は月代があるので、あまりいいものではありませんが…」
「変わってるよね。聖霊源で流行ってるの?」

ピーターの言葉に、牛若は笑った。

「成人した証として剃るのですよ」
「へぇ、キミの所は伝統的なんだね。フッドは…」
「ん?」

ピーターはフッドの頭を見て苦笑した。

「キミ、帽子の下どうなってるの?」
「剃ってあるが?」
「それも変わってるよね」

フッドは、そうか?と自分の頭に手をやった。

「弓を使う者はべん髪にするものだと思っていたが…」
「ふぅん、色々あるんだね」
「おかしいか?」
「いや、似合ってるよ」

ピーターの言葉にフッドは若干腑に落ちないと言った表情を見せたが、満足そうに再び湖の中を見た。

「ひゃ~気持ちよかった~!」

頭までずぶ濡れになった四人が岸に上がってくると、どこから取り出したのか、アローエンジェルはタオルを持ってヤマトに駆け寄った。

「はいの!私が拭いてあげますの!」
「え!いいよ自分でやるって…」
「遠慮はいけませんのー!」
「なんだぁ?やたら機嫌がいいなぁ」

嬉しそうに身体を拭いてくるアローエンジェルに、ヤマトは首を傾げながらも照れ臭そうに甘んじた。

「相変わらずお熱いなぁ」
「髪を下ろしたヤマト神帝さんも、素敵ですの!」

アローエンジェルの言葉に、男ジャックとアリババと一本釣は顔を見合わせて吹き出した。

「なるほどね!」
「女の子はギャップが好きだなぁ」
「でも、面倒なんだよ。もうやめてくれよな!」
「私が後で結ってあげますの」
「そう?悪いなぁ」

デレデレするヤマトに、三人は肩をすくめた。

「皆さん、着替えたら出発しますよ」
「ハーイ!」

ヘッドロココの声に一同は元気よく返事をする。
皆の身体が乾くまで、賑やかに休憩を過ごした。

旅の途中の、一時の安らぎ。
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