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宝物

・豊幻
・聖豊フッド、聖幻ピーター
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珍しく本を読みながらうとうとし始めたフッドを見て、ピーターはその手から本を取ると栞を挟んで机に置いた。
灯りを消して隣に座れば、無意識に身体を預けられ、その体温に安心感を覚える。
茶目っ気はあるが、普段誰よりも真面目で決して利己的な姿を見せないフッドだ。
いつも自分が甘える立場だから、こうした無防備な姿を見せてくれる事が少し嬉しかった。
僅かに差し込む月明かりの中、小さな寝息を立てるフッドが愛おしく思えてピーターはその髪を撫でた。

いつからこんなに隣にいる事が、嬉しいと思えるようになったのだろう。
フッドの頭を抱き寄せるように、自分も身を寄せてピーターは目を瞑る。

誰でもない、フッドの隣だからこそ満たされるのは何故なのか。
何度も理由を考えた事はあるが、結局答えなど分からぬまま、その気持ちに甘んじてきた。

「気持ちが通じているからさ」

一度フッドに言われた事がある。
なるほど、確かにそうかもしれない。
その時はそう思ったが、実際相手の気持ちなど分からない。
自分だけが見透かされている、そんな気分で時折不安になった。
それすらもお見通しというように、フッドは優しく笑うのだ。
ただそれだけで、心は温かくなり不安などなかったかのように穏やかになれた。

―好きだから。

そんな理由で、人はこれほどまでに満たされるものなのか。
単純な自分にピーターは苦笑したが、隣に感じる体温は確かにそこに存在する事実に、少し不思議な気分になった。
一方的ならこうはいかないかもしれない。
それは確かに、気持ちが通じ合っているという事なのだ。
それを教えてくれたのは他でもないフッドで、ピーターは惜しみなく愛情を注いでくれる彼に感謝した。

もっと触れ合い相手を知りたいとも思うが、結局は傍にいれる、それだけで言いようもない幸せに包まれる。
それに応えてくれるという事が、当たり前の事が以前よりも幸せと思える事が、まるで奇跡のようでキラキラと輝く星屑を手に入れたように思えた。

「好きだよ」

囁くように呟くと、「ん…」と応えるようにフッドが寝息を漏らすのでピーターは微笑んだ。

「キミといると幸せなんだ。この気持ちは変わらない。これからも傍にいるよ」

ピーターはそっとフッドの額に口付けると、ベッドにその身体を寝かせて毛布を掛けた。

「いつもありがとう。おやすみ」

そっと告げると、自分も毛布に潜り込む。
隣に温もりを感じながら、ピーターは目を閉じた。
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