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相棒

・ヤマト爆神、神帝男ジャック







悪夢を見た。

この手で親友を殺してしまった。

飛び起きて頭を振って、息を吐く。
手には斬った感触が残っており、震えながら自分の手を見つめた。
いつも通りの自分の手にホッとしながら周りを見渡せば、仲間が眠っており夢だった事に心底安堵した。
ただ、親友の姿はそこにはない。

神帝男ジャックは夢を思い出して不安を覚え、親友の姿を探す為に寝床からそっと抜け出した。
ヤマト爆神はそう離れていない所で、一人空を見上げて座っていた。
その姿を見て安心すると同時に、何やら考え込んでいるヤマトに男ジャックは声を掛けるか迷ったが、目も冴えてしまったので無言で近付くと、隣に座り込んだ。

「アレ?どうしたの?」

少し驚いた顔を見せるヤマトに、男ジャックは肩をすくめる。

「眠れなくてさ、お前こそどうしたんだよ」
「僕も、ちょっと眠れなくて」

苦笑すると、ヤマトは少し俯いて小さく溜息を吐いた。

「珍しいな。お前が悩み事か?」
「失礼だな。僕だって悩む事はあるよ」

ムッとするヤマトをからかうように笑うが、そのまま二人は黙り込んた。
月もなく、星明かりだけの中ではお互いの表情はよく読み取れない。

「水臭いな。何か悩んでるならオイラに言ってみろよ」

最初に静寂を破ったのは男ジャックだった。
ヤマトがこちらを見る気配を感じたが、男ジャックは気付かぬフリをして目の前の闇を見つめた。

「…本当に、次界なんてあるのかな」

しばらく黙っていたヤマトが、独り言のようにポツリと呟く。

「あるよ。絶対にある」
「どうしてそう言い切れるのさ」
「皆が信じてるんだ。絶対に見つかるさ」

男ジャックの言葉に、ヤマトはそれでも釈然としない様子で空を見上げた。

「お前が信じないで、どうするんだよ」
「分かってるよ。分かってるけどさ…」

かぶりを振りながら元気なく、少し躊躇ったようにヤマトは口を噤んだ。

「ヘッドロココ様だったら、もっと早く辿り着けるんじゃないかと思うんだ。僕だから、見つからないのかなって」


小さく紡いだ言葉に、男ジャックは溜息を吐く。

「そんなの関係ないだろ」
「そうなんだけど、何で僕なんだろう。牛若神帝や神帝フッドの方が、良かったんじゃないかな」

自分だけがヘッドになった事に、疑問を抱いているのか。
男ジャックはヤマトが悩んでいる理由を理解して、目を瞑った。

「お前を倒す夢を見たよ」

ヤマトの言葉には応えずに、男ジャックは先ほど見た夢の事を告げる。
ぎょっとした顔を向けたヤマトだったが、何も言い返さずに視線を落とした。

「オイラが悪魔になっちゃってさぁ、それを止めに来たお前を倒すんだ」
「ハハッ…おっかないなぁ…」

力なく笑うヤマトに、男ジャックは眉をしかめる。

「逆なら良かったのにって思ったよ」
「僕が悪魔になるって事?」
「違うよ。お前に倒されるんなら、納得いくって話だ」

その言葉に、ヤマトは顔を上げて男ジャックを見た。

「それはそれで、イヤな話だな」
「それぐらい、お前をリーダーとして認めてるって事だよ」

あっさりと言う男ジャックに、ヤマトは驚きそして笑った。

「キミ、僕の事買い被りすぎじゃないのか?」
「そうかもしれない。でも、天安峠でブラックゼウスと戦った時に、オイラはお前をリーダーとして認めたんだ。それは今でも変わってないんだよ。だからさぁ、お前がそんな自信ないと、オイラとしても困るんだよな」
「…ゴメン」

男ジャックは謝るヤマトに呆れた目を向け、苦笑する。

「あのなぁ、お前の事一番見てきてるんだぜ?そのオイラの言葉って、そんなに信用できないのかよ」
「いや、そういう訳じゃ…」

それでもまだ悩んだ様子のヤマトの背中を叩くと、男ジャックは立ち上がった。

「しっかりしろよ。気負う気持ちも分かるけど、お前がそんなんだと調子狂うぜ」
「男ジャック…」
「悩んだって仕方ないだろ?オイラ達はとにかく進むしかないんだよ。それに、お前は一人じゃないだろ?」

男ジャックの言葉に、ヤマトはしばし考え込んでいたが、やがてフッと笑って立ち上がる。

「キミの言うとおりだな。いやぁ僕ってほら、案外繊細だからさぁ」
「どこが」
「キミと違って、単純じゃないんだよ僕は」
「よく言うぜ!」

いつも通りの軽口を言って、二人は笑い合う。

「難しい事考えてたら、疲れちゃったなぁ」
「らしくない事考えるからだろ」

肘で小突かれて、ヤマトはアハハと笑った。

「もう一回寝ようっと」

伸びをしながら寝床に向かうヤマトだったが、ふと足を止めるとこちらに振り向く。

「ありがとな」

礼を言うヤマトにかぶりを振ると、男ジャックは照れたように笑いながら去る背中を見守った。

「何があったって、オイラだけはお前を信じてるから、安心しろよ」

独り言ちて笑うと、男ジャックも皆の眠る場所へと戻った。
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