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未来への約束

・神帝隊







「ねえ、次界に辿り着いて全部終わったらどうするの?」

旅の途中、隣を歩くピーターに問われフッドはふむ、と顎に手をやった。

「一度聖豊源に戻るかな。お師匠様に顔を見せておきたいし、次界まで案内しなければ。それからレスQ幻神を迎えに行くかな」
「キミはいいなぁ。きちんとやるべき事が決まっていて」
「約束しているからな」

満足そうに答えるフッドに、ピーターは微笑んだ。

「何の話してるんだ?」
「旅が終わったら、どうするって話をしてたんだ」

二人の話に割って入ってきたアリババに、ピーターは答える。

「そういう君は、どうするんだ?」
「僕?どうしようかなぁ…一度聖幻源に帰るか…う~ん…」
「なんだ、何も決まってないのか」
「だから聞いてみたんだよ」

苦笑するピーターに、なるほどとフッドは頷いた。

「アリババ、キミは無事に旅を終えたらどうする?やりたい事とか、何かあるのか?」
「俺?そうだなぁ…」

問われてアリババは腕組みをして考え込み始める。
それを見てピーターは苦笑した。

「別に無理に答えなくてもいいんだけど…」
「俺…俺は一度オアシスの里に戻るかなぁ。ヘブンシティにも、世話になったから挨拶しに行きたいなって思うんだけど…」
「ああ、海母聖がいるもんね」
「そ、そこは関係ないだろ?」
「赤くなってら」

慌てるアリババを見て、二人は顔を見合わせて笑った。

「なになに?何の話してるんだ?」

気になったのか他の神帝達がやってくるので、三人は話の内容を説明する。

「旅が終わったらかぁ」
「考えたこともなかったな」

皆は腕を組んで考え始める。

「ちょっと聞きたかっただけなんだけど、何だか大袈裟になっちゃったなぁ」
「たまにはいいじゃないか」

困ったように頭を掻くピーターに、フッドが笑って答える。

「私は一旦聖霊源に戻ります。じいが心配してますから」
「僕は照光子に次界を案内してから、聖光源に。宝玉神様に報告しないと」
「オイラも聖岩固に一回会っておくかなぁ」
「皆一度は故郷に戻るんだね」

皆の言葉に、ピーターは頷いた。

「俺は世界中を旅して、大物を釣りに行くかな」
「一本釣神帝らしいですね」
「お前はどうするんだよ」
「僕?」

男ジャックに尋ねられ、ヤマトは自分を指差してきょとんとする。

「そうだなぁ。次界へ辿り着けば偉い天使になれるって思って旅してきたけど…」
「偉い天使になったとして、どうするんだよ」
「そう、そこが問題なんだよね」

男ジャックの言葉にヤマトは苦笑して頭を掻いた。

「君はアローエンジェルがいるんだから、一緒に暮らせばいいじゃないか」
「そうだよ。平和で楽しい世界なら、戦いもないし二人でゆっくりできるよ」
「ええっ!?」

フッドとピーターに言われ、ヤマトは顔を赤くして驚いた。

「考えた事もなかったなぁ」
「これだもんな」
「アローエンジェルはきっと貴方と一緒にいたいと思ってますよ?」
「なんだか可哀想ですね」

皆が憐憫の目を前を歩くアローエンジェルに向けるので、ヤマトは居たたまれなくなって俯いたが、顔を上げると一同を睨みつける。

「そんな事言ったって、まだ次界にも辿りついてないのに、そんな事考えられないよ!それより今は無事に辿り着けるかを考えなくっちゃぁ!」
「だから、例えばの話をしてるんだろうが」

呆れたように男ジャックに小突かれ、ヤマトは何やら言い返そうとしたがぐっと言葉を飲んだ。

「僕もまだどうしようか考えてないから、いいんじゃないのか。ただ、そういう可能性もあるって事だけ頭に入れておいたらいいと思うよ」
「可能性?」
「アローエンジェルとさ、一緒になるって事だよ」

ピーターに言われ、ヤマトも先を歩いて珍しくヘッドロココと何やら楽しそうに話しているアローエンジェルを見やる。

「アローエンジェルとかぁ…」
「何だよ不満なのか?」
「いや、そうじゃないけど…」

ヤマトは口ごもって皆を見た。

「皆とバラバラになるって事が、何だかピンと来ないなぁって思ってさぁ」

ヤマトの言葉に、皆は顔を見合わせて笑った。

「確かになぁ」
「俺たち、既に随分長い事一緒にいるもんな」
「そうですね。確かに皆と別れると考えると寂しいですね」

口々に言う皆に、ヤマトは頷く。

「それにさぁ、何だか皆とはこれからもずっと一緒にいるんじゃないかなって気がするんだよ」
「当たり前じゃないか!お前の言うとおり、俺たちはまだ次界に辿り着いてないんだからな」
「そうだよ。それに、さっきの話だって今すぐの話じゃない。男ジャックの言うとおり例えばの話なんだから、難しく考えないでくれよ」
「そうそう。次界に着いても、オイラ達きっとやる事はいっぱいあるだろうからな。そうそう故郷になんて戻れないって」
「その頃には次界への道も出来て、他の天使も皆来ているかもしれないしな」
「そうだね。その通りだ」

笑い合うと、一同は顔を合わせて頷いた。

「皆さーん!何してるんですの、置いて行っちゃいますのよー!」
「ハイハーイ!今行くよ!」

随分距離が離れてしまった所からアローエンジェルが手を振るのを見て、ヤマトが慌てて走り出す。

「まーったく、あんな事言ってても、結局アローエンジェルにデレデレなんだよなアイツは!」

肩をすくめて溜息を吐きながらも、男ジャックは笑った。

「何気なく思っただけだったんだけど、今はまだ先の事なんて考えるべきじゃないって事だったかな」
「そんな事ないさ。でも、平和になっても皆でいれたらいいよな」

ピーターの言葉にかぶりを振って言うアリババに、一本釣が頷く。

「そうだな。俺達、これでも随分仲間らしくなっちまったし」
「例え別れたとしてもさ、たまには集まったらいいんですよ」

笑顔を見せる神光子に、牛若とフッドも頷いた。

「そうですね。絶対、そうしましょう」
「約束、だな」

まだ見ぬ遠い未来に約束を交わすと、皆もヤマトの後を追った。
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