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温もり④

・神帝フッド、神帝ピーター







―本当は戦うのは嫌いなんだ。

悪魔との交戦を終え、剣を納めながら神帝ピーターは目を伏せた。

―嫌いなんじゃない、怖いんだ。

戦えば戦う程、戦に馴染んでいく自分を見つめ、ピーターは一人身震いする。
美しい物が好きなのに、自分の存在はそこからどんどん遠ざかっている気がして俯いた。
しかし戦わなければやられてしまうのは自分だし、他の誰かが死んでしまうのはもっと耐えられない。
いつも心を奮い立たせてはいるが、時々気が滅入りそうになる自分に嫌気が差した。
こんな事ではいつか皆に迷惑を掛けてしまう。
それも怖かった。

―皆は凄いな。戦う事を躊躇しないなんて。

何事もなかったように先へ進む仲間を見て、ピーターは溜息を吐いた。
いや、もしかしたら皆も同じなのかもしれない。
だが、そんな様子を微塵も見せぬ仲間に、ピーターは再び視線を落とした。

「皆無事で良かったな」

不意に肩に手を置かれ、振り向くと神帝フッドが隣に並んでいた。
その笑顔に何故だかホッとして頷くと、自然と自分も笑みが雫れる。
気のせいかもしれないが、不安になるといつだって気に掛け傍にいてくれる気がする。
肩に残った温もりが、心にわだかまった不安を取り除いていくのを感じて、ピーターはフッドの青い瞳をじっと見つめた。

「どうかしたか?」

見つめられている事に気づいたか、フッドはその凛々しい眉を上げて優しく尋ねてくる。
何気ない言葉でも、自分に声を掛けてくれるフッドがいる事が嬉しく思え、ピーターはかぶりを振ると「なんでもない」と微笑んだ。

―キミがいてくれるから、僕は安心して戦えるんだ。

何事もないのを確認したかのように先を歩き出すフッドの背中を、ピーターは見守った。

「僕はまだ、強くなれる」

終わりの見えない戦いだが、心はまだ折れない。
ピーターは独り言ちると、フッドの後に続いて歩き出した。

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