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君と一緒に

・豊幻
・聖豊フッド、聖幻ピーター
・腐向け







「暖かくなってきたね」

聖フラダイスの見回りの途中立ち降りた草原で、聖豊フッドと聖幻ピーターは一休みしていた。

「ほら、もうこんなに蕾が開いてる。もう少ししたら一面花畑になるんじゃないかな」

風を受けて髪をたなびかせながら、ピーターは綻び掛けた蕾に手を掛ける。
ピーターの容姿に花のような衣装でそういった仕草を見ると、まるで女の子みたいだな、とフッドは心の中で笑った。
本人に言ったらどんな顔をするだろうか。
やはり怒るかな、と思いつつ、彼の怒った顔を想像する。

「何だか楽しそうだね」

いつの間に傍に来ていたのか、顔を覗き込むピーターに咳払いをすると、ピーターは不思議そうな顔をして隣に座った。

「戦いが始まったら、この辺りも焼け野原になっちゃうのかな。せっかく綺麗な場所なのに、可哀想だ」
「そうだな。そうならないように、したいものだがな」

少し怒った顔を見せるピーターと、想像した顔が重なってフッドは思わず笑いを堪える。
しかしピーターは目敏くフッドの様子に気付くと、怪訝な顔を向けた。

「何がおかしいの?」
「いや、すまない。君に対して笑った訳じゃないんだ」
「…変なフッド」

口を尖らせて膝を抱えるピーターに、フッドは苦笑しながらその髪に手を伸ばす。

「…僕、悪魔は嫌いだよ」

ぽつりと呟く言葉に、フッドは伸ばし掛けた手を止めた。

「アンドロココ様は天使もお守りも悪魔も皆仲良く住める世界を目指すって言うけど、悪魔と仲良くできるなんて思えないや」
「そういう事を言ってはいけないな」

諫めるように言うフッドを横目で見ると、ピーターは小さく「ごめん」と謝った。

「君がそう思うのは最もだが、育った環境や種族が違うんだ。皆が同じだと思っては駄目だ」
「…分かってる。でもさ、綺麗な物を綺麗だって思えない、争いや破壊するのが好きなヤツらと、本当に相入れるのかなって、僕は不安だよ」

フッドが答えないのを見ると、ピーターは少しふてくされたような顔をする。

「別々に住んでるから、いいんじゃないのかなぁ」
「それでまた今みたいな争いが起きても?」
「一緒に住んでも、同じなんじゃないのかな」
「難しい話だなぁ」

大きく息を吐いて空を見上げるフッドに、ピーターも同じように空を見た。

「しかし次動ネブラにいた悪魔達は、王女ヘラの元で仲良く暮らしている」

フッドの言葉に、ピーターは小さく頷いた。

「今我々が色々考えたって、始まらないさ。今は目的を果たさなければ」
「…そうだね」

溜息を吐いて俯くピーターの頭を、フッドは子供をあやすように撫でてやる。

「キミの手は変わらず温かいね」
「君は花のように繊細だが、時々棘を持っているな」
「キミの手は刺さないでいるつもりだけど?」

ようやく笑顔を見せるピーターに、フッドは笑い掛けた。

「例えば、私が悪魔になったとしても、この手の温もりも、君への思いもきっと変わらないさ。私は私なんだからな」
「…だといいけど。キミがそう言うなら、そうかもしれないね」
「もしそうでなかったら、いっそ君の手で倒されたいな」
「イヤな事言わないでよ」

困ったような顔を見せたが、冗談と受け取ったのかピーターは笑った。

「キミがそうなる時は、きっと僕も一緒だよ」
「ふむ。それなら何も問題ないかな?」

とぼけたように言うフッドと笑い合うと、ピーターは目を瞑ってフッドの肩に寄りかかる。

「きっとね、僕はずっとキミと一緒だと思うよ。だから、何があっても、どんなになっても、怖くはないんだ」
「約束しよう。いつも一緒にいるってな。花は、愛でていなければ枯れてしまうからな」

満足そうに言うピーターを抱き寄せると、フッドも頷いた。 

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