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君が望むなら

・デュークアリババ、バンプピーター




「なあ、お前誰かと一緒になるつもりはないのか?」

酒を飲ませろと押し掛けてきたアリババに、気分良く対応していたピーターだったが、突然の言葉に瓶を傾けた手を止めた。

「突然何を言い出すのさ」

アリババの持つグラスに酒を注ぐと、冗談と受け流してピーターは自分のグラスにも酒を注いだ。

「大体、何でアタシが酒持ってるって思ってるんだよ」
「だってお前、部下からの貢ぎ物多いだろ」
「誰に聞いたんだか」

当然といった風なアリババに苦笑しながら、ピーターはグラスを傾ける。

「フッドは? お前ら昔から仲良いだろ?」
「まだ言うのかい?」
「どうなんだよ」

純粋に好奇心を宿した目で問われ、ピーターは小さく溜息を吐いてグラスを置いた。

「どうも何も……別にそういう間柄じゃ……」
「嫌いなのか?」
「嫌いだね」
「どうして? 執着するのは、気になってるからだろう?」

アリババの言葉に、ピーターは困ったように肩をすくめた。

「アイツは昔から恋人がいるし……今だって……」
「そんなの関係ないだろ?」
「関係ないって……アンタ、アタシをどうしたいの?」

呆れた顔をするピーターに、今度はアリババが肩をすくめた。

「別に。せっかく女になったんだからさ、そういうの興味あるかと思って」
「くだらないね」
「くだらないとはなんだ。気にかけてやってんだろ」
「そりゃ、どうも」

ムッとしてグラスの中身を飲み干しこちらに差し出してくるアリババに、ピーターはやれやれと注いでやる。

「じゃあ俺は?」
「は?」

身を乗り出すようなアリババに、ピーターは酒をこぼさぬよう瓶ごと身体を避けて怪訝な顔を向けた。

「俺が一緒になれって言ったら、お前どうする?」
「……もう酔ってるのかい」
「いいから答えろよ」

少し声を落として言うアリババの視線から目を逸らすと、ピーターは俯いた。

「……それは命令かい?」
「命令だったら?」

しばし間を置いて、ピーターは小さく頷く。
それを見たアリババはハッと笑って椅子に座り直すと、声を立てて笑った。

「安心しろ、冗談だよ。そんな顔するなって」

可笑しそうなアリババに、ピーターは顔をしかめた。

「そんな顔するなよ。俺だって傷付くんだぞ?」
「今日のアンタ、何か変だ」
「美味い酒を美人と飲んでるんだ。俺だって冗談ぐらい言うさ」
「アンタがそんな性質の悪い冗談言うとは思わなかったよ」
「まあ、そう怒るなよ」

笑いながら立ち上がると、アリババはピーターに酒を注いでやる。

「でも、半分は冗談じゃないんだ」

アリババの言葉に、飲みかけたグラスを止めてピーターは彼を見た。

「やっぱ酔ってるね」
「そうかな?」
「ま、ちょっとは嬉しいよ」

ピーターはグラスを傾け、中の酒を弄びながらフッと笑う。

「アタシは、昔からアンタが好きなんだよ」
「それは光栄だな」
「でも、フッドの事も……」
「知ってるよ」

グラスを回す手を止めると、ピーターはアリババにグラスを差し出した。
頷きながら注いでやると、彼女は美味しそうに中身を飲み干す。

「だからさ、アタシはアンタの為にこの命を差し出すのは惜しくはないし、必要ならフッドに血を分けるのも厭わないけど、誰のものにもならないよ」

当たり前のように言うピーターのその頭を、アリババはぽんぽんと手を置いて撫でてやる。

「損な性格だなぁ」
「いいんだよ。ずっとそうしてきたんだからさ」

少し俯いて笑うピーターの横顔は綺麗だった。

「おい、俺の為に命を落としたりするなよ?俺の為だってんなら俺の傍にいろよ。フッドと一緒にさ」
「アタシが死ぬ訳ないだろ?」
「約束だぞ。お前達を守るのは、俺なんだからな」

アリババの少し真剣な眼差しに、ピーターは可笑しそうに小首を傾げる。

「大将がそんなんじゃ、部下も大変だねぇ」
「部下の一人も守れないんじゃ、大将は務まらないだろ」

ピーターはアハハと笑うと、机に寄りかかって目を伏せた。

「アンタのそういうところが好きだから、アタシもフッドも命を懸けられるんだよ」
「そんなお前達だから、俺も傍に置いておきたいんだよ。仲間としてな」

笑顔を見せるピーターに、アリババも微笑む。

「次にお前と飲む酒も、美味いといいな」
「美味しいさ。次にアンタと飲むのは、祝杯だからね」

アリババのグラスに最後の酒を注ぐと、二人はグラスをかち合わせた。
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