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子供じゃない

・豊幻
・聖豊フッド、聖幻ピーター
・腐向け







肌にまとわりつく、しっとりとした風が心地良い。
もう少し湿気を含むと不快になるであろうこの絶妙な空気が、何故だか心を浮き足立たせた。
アルコールを接種していた事が、更に助長させる。

「何だか気持ちの良い季節だね」
「初夏だな」

聖幻ピーターの言葉に、聖豊フッドは頷いた。
二人でこっそり抜け出して、月を見ながら酒を飲んでいたが、寝所に戻る前にわざわざ歩いて散歩を楽しんでいた。

「あっ」

不意に声を上げてピーターが駆け出すのを、フッドはやれやれと苦笑しながら歩いて後を追う。
追いついてみれば、小さな湖に入って水遊びを始めていた。

「いくら暖かくなってきたからって、まだ冷たいだろう」
「大丈夫、気持ちいいよ?キミも来なよ」

無邪気に笑うピーターに誘われて、フッドも湖に入った。
腰の辺りまで浸かった水は若干冷たかったが、火照った身体には心地良い。

「ね?気持ち良いでしょ?」

笑顔を見せて月光の下泳ぐピーターを見て、まるで人魚みたいだなとフッドは心の中で笑った。

「君は本当に無邪気というか…」
「子供っぽい?」

悪戯っぽく笑って近付いてくると、ピーターは泳ぐのをやめて立ち上がった。

「やあ、純粋だなって思ってさ」
「純粋?僕が?」

フッドの言葉に、ピーターは可笑しそうに笑いながら抱きついてくる。
ひんやりとした身体を抱き締めてやると、鼓動と共に徐々に体温が伝わった。

「純粋じゃないよ。だって今だってこうやってキミにされると嬉しいって思うし…キスもしたいって思うし」

少し照れたように言うピーターに笑い掛けると、フッドはちゅっと軽く口付けた。

「いいじゃないか。それぐらい可愛いもんだ」
「もっとして欲しいんだよ?欲張りでしょ?」
「ふむ、まあ私も同じ気持ちだが…そうなると確かにちょっとばかり違うかもしれないなぁ」

とぼけたように言うフッドに、ピーターは笑った。

「ねえ、もっとして?」
「少し酔ってる?」
「うん…」

ほぅっと息を吐いて上目使いで見上げてくるピーターに、フッドはもう一度、今度は深く口付けた。

「ん、フッド…」

唇を離せば甘い吐息を漏らし、目を閉じて身体を密着させてくるピーターを見て、確かに子供ではないなと思う。

「これ以上は、ここでは駄目だ」
「…どうして?」
「二人とも風邪を引いてしまう」

少し不満気に口を尖らせたピーターだったが、くしゅんと小さくくしゃみをしてアハハと笑った。

「ほら、言わんこっちゃない」
「ホントだね」

素直に頷くピーターの頭をぽんと撫でると、手を引いて二人は湖から上がる。

「帰ったら風呂に入らないとなぁ。服も乾かさなければならないし」
「一緒に入る?」
「もちろん。夜はまだ長いし…身体も温め合わないとな」
「そうだね」

片目を瞑って言うフッドに、ピーターも嬉しそうに笑う。
二人は手を繋いだまま、残りの帰路の散歩の続きをゆっくりと楽しんだ。

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